始めから婚活の期限は3ヶ月と決めていた

 

プロローグ

 

「このまま一人で人生終えるの寂しすぎる!」

コロナ禍の真っただ中、そう思ったのが、私が婚活を始めたきっかけだった。

会社は週のほとんどがリモートワークになり、誰かと会ったり話す機会がめっきりと減った。

そんな中、部屋の中で一人の時間が増えれば増えるほど、この先の人生を一人で生きることが不安でたまらなくなった。

それが今から半年前のこと・・・。

 

すべてが順風満帆な人生ではなかったけれど、それなりに色々と経験もしてきた。

旦那とは10年前に離婚し、二人いた子供も無事に成人してくれた。

 

仕事と言えば、事務職ながらキャリアも積んで、親から譲り受けた不動産も少しある。

離婚してからは、そこそこイケメンでハイスペックの彼氏を何人か作ったけど「もう結婚はいいや」というのが本音だった。

結婚すると、相手の嫌な部分も見えてくる。

それなら、ずっと一人の方が気楽だと、いつの間にか思うようになっていたから。

 

だから、小さいながらも自分一人が暮らすにはちょうどいい大きさの家を建てた。

一生独身で過ごそうと決めていた自分にとっては、居場所がとても大切だとわかっていたから。

 

結婚なんてしなくても、大好きな彼氏がいればいいやと思っていた49歳。

私は年齢よりもかなり若く見られるし、ちょっとセクシー系のキャラではあったから、彼氏に不自由することもなく・・・

 

でも、世の中は何が起こるかわからない。

世界的に蔓延したコロナは、私にも大きな影響をもたらすことになった。

 

最初こそ、おこもり生活なんて、のんきに構えていたけれど、数か月も続くと精神的に負担が大きくなってくる。

そして、ある日、ふと思った。

 

「このまま一人って寂しすぎる! そうだ結婚しよう!」

私は最初に、手軽なマッチングアプリに手を出した。

今までだったら職場や飲み会で、出会うチャンスはあったし、歴代の彼氏もそうやって作ってきた。

でも、今はその機会すらない。

結婚、パートナー、出会い、恋人・・・いろいろなキーワードに彩られたアプリは気楽だったし、最初こそ楽しかった。

顔写真の一部をアップするだけで、毎日のように男性からのアクセスがあった。

その中から、何回かメッセージのやり取りをし、気が合いそうな男性と会う約束をする。

「やっぱり出会いって簡単だ」

私は本気でそう思っていた。

でもアプリは手軽さゆえに、相手の結婚に対する熱意や真剣さが曖昧なのが、最大の問題汚点。

私が結婚したいと言う男性がアプリにはいないことを3ヶ月目でうすうす気がつき始めていた。

アプリ婚活にもちょっと疲れ気味になってきたころ、私は自分の婚活に大きな選択肢をひとつ加えた。

それが「結婚相談所」

近所だし、実績もあるし会員も多い。

思い立ったが吉日、私は3日後には結婚相談所の会員になっていた。

それと同時に、結婚相談所での活動は3ヶ月と自分で決めた。

もし3ヶ月経って、結婚相手が見つからなかったら潔く退会しよう。それから先は一人で生きていく!

これが私の決めた婚活のルールだった。

 

「初めてのお見合い」

 

相談所に入会して、1週間。

気になった男性と初めてのお見合いをした。

結婚相談所に入会したことを友人に話したら

「お見合するまでがなかなか難しいらしいよ」なんて

脅かされていたけれど、意外とすんなりお見合が成立した。

気合を入れて撮ったお見合写真の効果もあったのかもしれない。

 

最初にお見合したのは、2歳年下の初婚の会社員だった。

少し、年収は低かったがルックスが好み。

自分がローンのない家を持っていることもあって、相手の年収はそこそこでいいやと思っていた。

 

そして、当日、写真でみた通りの年下男性がホテルラウンジに現れた。

会話も盛り上がったし、お互いに好印象だったはず。

でも、結果は相手からお断りされてしまった。

理由はわからないが、ちょっとショックだった。

 

「2回目のお見合い」

 

今回は4つ年下の男性。

仕事は上場企業勤務で、スペックは悪くない。

ただしバツイチで、子供はまだ小さかった。でも、子供とは同居でもなく、親権も持っていない。

もちろん、顔は好みの優しい系イケメン。

条件としては悪くない。

 

お見合場所は、前回と同じホテルのラウンジ。

私はカウンセラーに言われた通り、淡いピンク系の服を着て行った。

本当は黒や赤の服が好きだったが「柔らかいイメージの方がいいですよ」と言われたから、その通りにしてみたのだ。

今までつけていたシルバーで細身のデザインのピアスをはずし、初めて買った可愛らしいデザインものに替えたりもした。

これで見た目はちょっと柔らかくなったはず。

 

お見合場所につくと、待ち合わせ場所で先に男性が待っていた。

軽く挨拶をして席に移動して会話を始める。お互いの趣味や仕事、ちょっとした雑談を交えて1時間が経った。

住宅ローンや借金はなく、毎月の養育費は払っていたが、数万円だとも教えてくれた。

経済状態に限って言えば合格。

 

でも会話の途中で、この男性に違和感を覚えた。

顔や仕事などの条件は悪くないのだが、しゃべり方に落ち着きがないのが、どうしても気になったのだ。

さらに、結婚したら甘えたいんだということをしきりにアピールしてくる。甘える、安心という言葉を何回も使っていた。

この人は結婚相手にお母さんを求めているんだと感じて、即日お断りを入れた。

私は結婚後に旦那からべったり甘えられるのはゴメンだったから。

 

次のお見合予定は一週間後。

 

「3回目のお見合い」

 

今回は2つ年上の男性だった。もちろん顔は自分の好みだったが、1回目2回目よりはイケメン度合いは下がっていた。

それでも、世間一般的にはカッコイイ部類に入るはずだ。スタイルも年の割にはスッとしている。

 

離婚してから、彼氏と言える人を数人作ったが、いずれも仕事のできるイケメンばかりだった。だから、会いたいと思う相手もそれなりのルックスを選んでいるわけで、お見合いにイケメンが現れるのは当たり前。

 

意外とお見合なんて簡単!

要するに相手の身元が保証されたマッチングアプリじゃん、ちょっと費用かかさむけど。

こんなふうに思っていた。

 

カウンセラーに言わせれば、コンスタントにお見合ができるのは、凄いことだとも言われた。

めちゃくちゃ期待しているわけではなかったが、次に会う人が結婚相手になるかもと思うと、お見合い相手に会うまでのワクワクとドキドキは確かにあった。

 

3人目のイケメンは、会社経営の初婚の男性だった。スペックとルックスを見れば、なんでこの人がこれまで未婚なんだろう?という感じ。

話した感じ、何の問題もなく悪いところも見当たらない。

お互いの趣味でも共通するものがあり、話は大いに盛り上がった。

 

そして、私はこの男性とは仮交際へと進むことになった。

 

「4回目・5回目・6回目のお見合」


3人目の男性と仮交際することなったが、私はさらに保険を掛けた。できる限りのお見合を申し込んだのだ。

仮交際の間は何人とお見合したっていいというルールを、最大限に使わない手はない。

そして、もう一人、仮交際の相手をキープした。

 

同じ年

まぁまぁ普通の男性。

まぁまぁ、普通の会社員。

まぁまぁ普通のルックス。

でも、今までお見合した中では、飛び抜けて優しかった。

1時間しか会っていないけれど、その優しと気遣いは、すぐに伝わってきた。

(きっと、この人と結婚する女性はめちゃくちゃ大切にされるんだろうな)

正直な感想だった。

 

そして

(これでルックスが好みなら、大本命なんだけどな・・・)

 

これまた、心の中の本音でもあった。

 

そして私はとりあえず、二人の男性と仮交際をスタートさせた。